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ガルーシャの「皮」と「加工」について

ガルーシャの「皮」について
まず、ガルーシャの「乾皮(かんぴ)」と呼ばれる皮をご覧下さい。

ガルーシャには、「循鱗(じゅんりん)」と呼ばれる尖った鱗があり、これを鞣して「革」となります。循鱗はサメ・エイ類に特有の鱗であり、表面はエナメル質で覆われ、歯と同じ構造になっています。
この循鱗は驚くほど規則的に配置され、さらに1粒1粒を顕微鏡で見ると無数の細かい棘があり、その配列も非常に規則的で頭から尻尾に向かってトラ爪のように尖っているのが特徴的です。ですので、この乾皮に触るとザラザラとした感触に驚きますが、頭から尻尾にかけて触ると滑らかで、尻尾から頭かけて触ると非常にザラザラとしています。
サメ・エイ類は、この循鱗により水の流れを整え、より早く効率的な泳ぎを可能にしています。
まさに自然を生き抜くために完成された素晴らしい素材と言えます。
※この乾皮の状態は、日本では刀の柄によく用いられております。1000年以上前の有名な刀にもしっかりと使われており、歴史の深さも物語っております

ガルーシャの2つの加工について
ガルーシャ革の加工には、大きく分けて、
1:革の表面全てを平らに削る「ポリッシュ加工」
2:丸い突起を活かした、「Noポリッシュ加工」(真ん中の突起のみ削る)
※「キャビア」と呼ばれ、以下「キャビア」とします。
の2つの加工があります。
① ポリッシュ加工
表面を研磨することで生まれる加工です。

≪特長≫
・中心のスターマークをメインに、自然の模様のように現れる
・ツルツルとした質感になる
・若干の個体差がある
・染料で染める
・経年変化は多少色が変わる程度
≪経年変化≫

② キャビア
循鱗の丸い突起を活かした加工です。

≪特長≫
・全体が均一なカラーに仕上がる
・凹凸があるためザラザラと感じる質感になる
・それほど個体差が目立たない
・顔料で染める
・経年変化は使い方によって異なるが、スターライトが現れる (注1
注1) スターライトとは
表面の顔料が摩擦等で剥がれ、中のエイ革の色が見える現象を言います。
中の色は生成り〜グレーのような色まで様々でその際の加工で若干異なります。
このスターライトが1粒現れると、「願い事が1つ叶う!」と言われております。
強い摩擦や温度によって剥がれることがありますが、これがキャビア特有の経年変化となります。
≪経年変化≫

バハリのキャビアの特長
バハリのキャビアは、スタンダードなカラー以外に3つの特殊な加工を施しております。
1.パール加工
2.スパークリング加工
3.エアブラシ加工
過去数十年間、キャビアの加工は、単に「ブラック」や「レッド」などの単色が主体で、色合いがアジア特有のカラーがメインでした。

一番左が、過去数十年にわたり使われてきたスタンダードなブラックです。
真っ黒でオシャレですが、キャビアのガルーシャを知っている方には、「一般的なカラー」です。革小物にしますとメンズライクな印象。そこでバハリは、この単色カラーに特殊な加工で新しい「スパイス」を加えました。
1.パール加工
バハリのキャビアの特長が、まず「パール加工」です。
色全体に「パール」を加えることで独特の輝きあるカラーに仕上げております。
色を「パールブラック」や、「パールホワイト」というように表記しております。
2.スパークリング加工
パール加工にさらなる加工を加えたのが、「スパークリング加工」です。
特殊な「ラメ」を加えたことで、今までにない輝きを与えることができました。まるで宝石を持っているような感覚になるほど、キラキラと輝く加工が特徴です。

色を「スパークリング ブラック」や、「スパークリング ホワイト」というように表記しております。
3.エアブラシ加工
バハリ独特の技術で、熟練された職人によりエアブラシ加工にてガルーシャに「柄」を施しております。国旗シリーズ、日本の伝統文様シリーズなど、今までにないデザイン性と芸術性で、ガルーシャに新しい可能性を広めております。
エアブラシ加工には、ほぼ全ての商品に「スパークリング加工」を施しており、ラメの輝きと柄の美しさの融合をお楽しみ頂けます。

ポリッシュ加工 | キャビア | |
模様 | 自然だが個体差あり | 顔料染め(吹付け)なので個体差はあまりない |
---|---|---|
質感 | ツルツルとした質感 | 若干ザラザラとした質感(痛みはない) |
染め方 | 染料 | 顔料 |
経年変化 | あまり変わらない | 使い方によってスターライトが出る |
エイ革の修理 | エイ革自体の修理は不可 | 色のリフレッシュ(別途費用)は可能(不可のタイプもあり) |